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知られざるティンパニ奏者の仕事

年を跨いで今年最初の本番。

なんと、ティンパニのペダリングが過去最強。
この仕事をするようになって、だいぶ耐性はできてきたけれど、
この楽譜を見て怒り出すティンパニ奏者は間違いなくいるし、
実際、こういう仕事は引き受けない方もおられる。

ティンパニの楽器の機能をまるで分かっていないとか、もはやそんな初歩的なことを
言っている時間はない。

楽譜をもらってから練習と同時進行で、
ティンパニ奏者はまず、ペダリングをどうするか、
4つのティンパニのそれぞれの音替えをどのようにしたら、
この作品の音が出せるか(間に合うか)を、考えて書き込む作業がある。
パズルのような作業。

オーケストラのどの作品も、世界中の多くのオーケストラで演奏されていて、
すでに誰かが使った形跡のある楽譜が渡され、そこに書き込みのあるティンパニペダリング図は、
並びがアメリカンだったり(私はジャーマンなので並びが左右真逆)、
まず修正液で綺麗に消して、場合によってはコピーし直してまっさらにするなど、
これは知られざるティンパニ奏者の地味な作業である。

そして大変時間がかかる。

今回は珍しく、すでに書き込みされたものが「ジャーマンスタイル」で私と同じだ。
そして筆跡もきれい。消さずにそのまま残して、まずは自分流のペダリングを考えて行くことにした。

書き込んでいるうちに
「ん?」
音の替え方がほぼ同じ。選ぶティンパニのサイズも同じ。

楽器は4台あって、どのケトルで何の音を取りたいかも、奏者の好みとかセンスが出る。

ジャーマンスタイルであることから、ヨーロッパの人が演奏したであろうとまでは推測できるが、
ドイツ人とも限らないし。
でもその後、他のパート譜にドイツ語のメモがあったと聞いて、ドイツのオケで演奏されていたことまでは考えられる。

どんどん読み進めて行き、音替え作業も進めるうちに、
その前者のちょっとした書き方、メモ、音の替え方に親近感を覚える。
どのインチに足をかけておけば間に合うかなど(秒の闘い🔥)!
フランネルの使い方まで。

そしてなんと見事なセンス!
誰だろう、兄弟弟子の匂いがプンプンする。

この手のペダリングはとんでもない苦労を伴い、またそれをたった一人で奏する孤独感を味わう仕事になるが、今回は、、

『ひとりじゃない!』

と心の中で叫んだ。なんて心強い!!

こんなこと、長年やっていて初めてかもしれない。いや初めてだ。

練習中も、本番中も、その筆跡に何度も助けられ、関心する場面が多々あった。

あぁ〜〜誰だろう、会いたい。
兄弟弟子か、従兄弟弟子ぐらいかもしれない。

世界のどこかで繋がっている喜び

 なんて素晴らしい!

それにしてもひどいペダリング(泣)🥲
この苦労も孤独もまったく誰にもわからないけれど、
同じ仲間の存在を楽譜から感じて、
この仕事にあたたかい気持ちで立ち向かえた。

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by sawako-ys | 2024-01-11 20:26 | 本番の舞台上

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