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リサイタル

あれが、私と稲垣聡さんの世界でした。

お会いすると、泣いておられるお客様が多数いらして、
その後メッセージや、手書きのお手紙も続々と頂いており、
その感受性の高く深く、精神性と宇宙的感覚の内容から、
そのように受けとめて頂いたことに深い感謝をしております。

コンサートを聴いて、
まだ心の整理がつかない、身動きできなかった、
ただただ溢れる涙が流れるだけだった、
終わった時 手が震えていた、、

聴き手の感受性も様々、こちらは強要する演奏もせず、
消えてゆく音の行方は最後まで追いながらも、解き放つ。
儚い世界です。

「怖い」ぐらい..
というお言葉もいただきますが、
稲垣さんとの合わせは、感性が近すぎて自分でも身震いする。
リハーサル中も、ほとんど文章がいらなくて、
短い言葉だけ。それ以上の言葉を出したら(音楽にとって)危険であるという線を、お互い同じ位置にもって生きている。

怖い

前から思っていたけど、数年ぶりの合わせは、
よりその近さを感じて怖すぎた。

だから私たちは、音楽の打ち合わせをほとんどしない。

それがどれだけ危険であるかを知っているから。

マトルズ・ダンスのような、超絶、ギリギリ、
スレスレのアンサンブルは特に、
演奏前に2人共一切会話をしない。

「会話をしては危険である」ことも、話さない。

それぐらい、ギリギリのところで音楽している私たちに、
一番時間のかかった曲が
『月の光』だった。

時間がかかった..というより、沈黙が長かった。

超絶技巧はある意味むしろ楽である。

超絶技巧の作品より、圧倒的に難曲であることも、
永遠に終わりがない宇宙であることも、
それも言葉では交わさなかった。

あまりにも儚い音を、無言で交わした。

お客様からの、SNSで表現してくださること、
泣きながら送ってくださったメッセージ、お手紙、
一曲一曲の感想。
お返事ができるまでにまだまだ時間がかかります。
すべて大事に読んで受けとめています。

ありがとうございます

6歳の私に、初めてバチの持ち方から教えてくださった師匠が、コロナ禍でご無沙汰していた数年ぶりにいらして下さった。もう90に近いはず。

終演後ひとこと、
「あなた、大人になって。
 音符の見えない演奏」

楽譜が見えてはいけないという、
大変厳しい先生からの、
40年以上お付き合いして
初めて頂いた最高の褒め言葉だった
リサイタル_d0260803_13484157.jpeg
アーティスト

音楽


by sawako-ys | 2023-09-09 13:47 | 本番の舞台上

安江佐和子(パーカッショ二スト)のBlog. 音楽の生活と好きなこと.コンサートのお知らせ


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